2007年11月14日

文学座公演「殿様と私」

マキノノゾミの新作、ミュージカル「王様と私」をベースにしている。
時は、明治半ばの東京・・文明開化の明治に生きる華族一家のお話である。
西洋文化になじめない武士出身の白河子爵(たかお鷹)は、家令の雛田と酒浸りの日々を送っていた。
ある日、外務卿・井上馨の書生とひと悶着が起きた。殿様は侮辱されたことの仕返しに・・時代おくれの討ち入りを決意。しかし、「白河家を守るには、鹿鳴館でみごとなダンスを披露して、和魂洋才の手本を示すこと」という息子の提言に・・アメリカ人アンナ夫人を指南役にダンスの修行が始まる・・・というお話だ。
武家の価値観に固執する殿様・・それに反発するアンナ・・二人はことごとくぶつかるが・・・しだいに・・殿様は時代の変化を受け入れはじめ・・アンナは日本人の気持ちがわかり始める・・・。
・・人間の愚かさ、哀しさ、愛おしさ・・いろんなことがいっぱい伝わってきた。
人間って愚かで、哀しくて・・生きてるってことは・・哀しいことや、つらいことが多くて、思い通りにはいかないことも多いけど・・・それでも・・「人間っていいなあ」って思える素敵な舞台でした。

殿様のたかお鷹さん、家臣雛田の加藤武さん・・この主従関係がほんとに素晴らしく、時に笑いを誘うが・・人間の寂しさや、時代に取り残された悲しみ・・のようなものが、、じんわり伝わってきて・・さすが!!と思わせる!!
アンナが話す英語を、堂々と日本語にしたのも・・・素晴らしいと思った!
最後の場面での・・・言葉の通じない、殿様とアンナの会話が・・お互いにわかりあえていく・・のがとっても感動的だった!

高原陽子

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