2007年1月10日

2006年の芝居ベスト1

2005年12月に高原坦が急逝してからの昨年一年は、ほんとに大変な一年でした。
それでも、芝居は観ました

1月始めのノダ・マップ「贋作、罪と罰」に始まり、日生劇場、内野聖陽主演の「ベガーズ・オペラ」・・文学座、劇団民藝、ガジラ、こまつ座、燐光群、・・・永井愛さん、三谷幸喜さん・・・・大人の麦茶、グリング、イキウメ・・・・と、相変わらずたくさんの舞台を観ました。
素晴らしい芝居は、感動と夢と・・・・そして、生きる勇気を与えてくれます。
2006年に観た作品の中で、一番心に残った芝居は、何だったのだろう・・・・と考えてみました。

ベスト1にあげたいのは、いくつかあるけど・・・あえて、劇団ヴォードヴィルショウの「エキストラ」をあげたい。
映画やドラマに欠かせないエキストラの悲喜こもごもを描いたヒューマコメデイ・・。
現場にいる人ならではの視点で描いた三谷幸喜の脚本だけに・・着眼点が鋭くて面白い!
物作りの日陰(裏方)にいる人たちだって・・みんな境遇は違っても精いっぱい主役を演じているんですよねえ・・・。
個性豊かなキャラクターを演じる役者陣も素晴らしかった。
とてもエキストラにはみえない伊東四朗、角野卓造、佐藤B作さん・・・・たちのコンビネーションも絶妙だった。
また、出演者が27人という群像劇でありながらも・・それぞれの個性が輝いていて、おもしろい中にも哀感が漂い・・作者三谷さんの思いやりある人柄も感じられて・・・ほんとによかった!
芝居好きにはたまらない一作だった!!

どの世界でも同じ・・古書店のような商売も同じで・・山あり、谷あり・・なかなか「安定」という言葉は通用しません。
・・でも、それだからこそ、面白いし、やりがいもある、というものです。

高原陽子

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