2006年8月14日
晶子のうた
こないだ店長が亡き社長の買った作家の原稿や色紙を整理していたら、与謝野晶子のこんな色紙がでてきた。
「はだへより はだへに吹きて なまめかし 芝居の廊の 夏のそよ風」
時期は夏の終わり…お芝居を観終わって役者の汗ばんだ肌などを思い浮かべながら…
余韻にひたっている。その私のほヽをなでる風はもう…秋の気配がする。
こんな意味なのだろうか…。
私も、やはり、夏の終わり頃、心に残るお芝居を観たあとのこんな状況に…覚えがある。
あれは、もう3.4年前だろう。
東京セレソンという劇団の「歌姫」という芝居。
四国のさびれた映画館が舞台のお話だった…。
面白くて、懐かしくて、切なくて、いつまでも心に残る舞台だった。
舞台が終わって、劇場の外に出ると、8月の終わりの風が ひんやりとここちよく…
もう 秋がそこまで来ている気がした。
日本独自の文化である短歌のこのわずか三十一文字の中に込められた想いの、なんと深いことでしょう。